揮発性脂肪酸(VFA)について |牛のルーメンでの産生を解説

この記事では揮発性脂肪酸(VFA)が牛の摂取する粗飼料と濃厚飼料とどのように関わっているかを解説していきます。

揮発性脂肪酸(VFA)は牛のルーメンで産生されるエネルギー源

反芻動物での糖質の吸収は第1胃(ルーメン)での発酵で行われます。ルーメン内には細菌が多く存在していて、嫌気的な発酵が行われ揮発性脂肪酸(VFA)が産生されます。

そもそも揮発性脂肪酸(VFA)ってなに?牛のルーメンで産生されるの?

細菌の最終的な代謝物である揮発性脂肪酸(VFA)が産生され、これがルーメン壁から吸収されて血液に乗り、牛の組織に送られてエネルギーとして利用されます。細菌はVFAの他にも炭酸ガスやメタンも排出します。

主な揮発性脂肪酸(VFA)には酢酸、酪酸、プロピオン酸ですが、他にもL-乳酸、バレリン酸、分枝鎖VFA(イソ酪酸など)も含まれます。

揮発性脂肪酸(VFA)に大きく関与する牛に与える飼料|粗飼料と濃厚飼料

揮発性脂肪酸(VFA)は牛に与える飼料の影響を大きく受けます。牛に与える飼料は大きく2つあり、粗飼料と濃厚飼料になります。

粗飼料

牛に与える粗飼料は生草、サイレージ、乾草、稲わらなどで具体的にはアルファルファ、クローバー、チモシー、オーチャードグラスがあります。

濃厚飼料

濃厚飼料はタンパク質などの栄養成分が特に高い飼料のことを言い、具体的にはトウモロコシ、ふすま、マイロ、米ぬか、大葉、大豆油かすなどが考えられています。

これらの構成は揮発性脂肪酸(VFA)の産生に大きく関与します。

揮発性脂肪酸(VFA)|牛のルーメンアシドーシスへの関与について

牛のルーメンアシドーシスは炭水化物が多い飼料(濃厚飼料)をあげすぎることで揮発性脂肪酸(VFA)が大量に産生され、ルーメン内のpHが低下する異常な状態です。

牛に濃厚飼料を多給するとルーメン内のでんぷんや糖が急速に発酵し、揮発性脂肪酸(VFA)が大量に産生され、ルーメン内のpHが下がります。これにより食欲低下、下痢が見られるようになります。

ルーメンアシドーシスは一度発症すると悪くなるような流れがあります。慢性的なルーメンアシドーシスは胃内の炎症を導きます。これにより第1胃の粘膜上皮の角化不全が起こります。炎症部位から細菌が侵入、肝臓に膿瘍を形成、後大静脈に血栓を作ること(後大静脈血栓症)まであります。

急性の乳酸アシドーシスではpH低下によりグラム陰性菌が死滅、内膜のリポ多糖(エンドトキシン)が放出され、エンドトキシンショックを起こしてしまいます。

ルーメンアシドーシスについて詳しく書いた記事はこちら

ルーメンアシドーシス の治療と原因について|第一胃の異常

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