この記事では尿石症の概要を掴めるよう原因から始まり症状、診断方法について解説していきたいと思います。
牛の尿石症を徹底解明!
牛の尿石症は肥育牛で多く認められ、包皮先端の毛に砂粒状(石ころ)のような白色沈着物が付着することで畜主様が気づくことが多い疾患ですね。
牛の尿石症の原因
原因としてメジャーなのはビタミンAの欠乏です。
そのほかにも濃厚飼料の多給やカルシウムとリンの比率の不均衡も原因と考えられています。
離乳を適切に行わなかったことや飲水量の減少で尿が濃縮されてしまったこと、早期去勢により尿道の発育不全も関連性があります。
牛で考えられる尿石症の症状は?
尿石症は尿が排泄されている場合にはそこまで症状として見られることは少ないですが、
尿管や尿道に結石が移動し、その結石が尿路を不完全に閉塞しまうことで尿路の閉塞性障害を呈します。
症状としては排尿痛や頻尿、血尿が認められます。
完全に閉塞してしまった場合にはもちろんですが尿が貯留します。
その場合には背弯姿勢や疝痛が認められます。この場合はかなり危険な状態ですので適切に対処しましょう。
牛の尿石症の診断と治療は?
基本的には目視で砂、石ころのような白色の石を確認すること。
他の診断にはエコー検査にて膀胱内や腎臓内における石の存在を確認、直腸検査で拡張した膀胱のチェックが考えられます。
膀胱が破裂している場合には腹水(尿)が貯留することもあります。
血液検査では尿毒症の症状としてBUNやCreの上昇が認められる場合もあります。症状の進行具合にもよりますが。
牛の尿石症の治療では予防が最も効果的
やはり尿石症は石を作らない様に予防をすることが一番です。
考えられる予防法としてはビタミンAの欠乏を控える、濃厚飼料の量や配分を調整することが考えられます。
対症療法としては塩化アンモニウムを投与して尿のpHの安定化を図ります。
根治としては尿道切開、会陰尿道瘻術を行うこと、膀胱を切開して石を取り除くことも考えられます。
肥育牛には肝膿瘍も多く見られます
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