牛の 弁膜 (僧帽弁や三尖弁)疾患の症状とは?

牛の弁膜疾患は左右の房室弁(僧帽弁と三尖弁)や大動脈弁、肺動脈弁の器質や機能の障害が起こることで生じる疾患の総称です。

牛の弁膜疾患について|僧帽弁や三尖弁の異常

牛の心臓の弁膜の機能は心拍動に合わせて開放と閉鎖を繰り返すことで血液を各器官に送っています。

弁膜の異常があると心臓に持続的な圧負荷や容量負荷がかかることがありますので、血液を 駆出する機能が減退することで様々な症状が全身で見られます。

どうして牛で弁膜疾患が起こるの?

牛で弁膜疾患が起こる理由としては細菌性の心内膜炎などで弁膜に疣贅物(血流を妨げる異常にできた物質)が形成されることが知られています。

ランチーズでも度々出てくる細菌性心内膜炎ですね。

牛の 細菌性心内膜炎 の症状/原因について解説 牛の心疾患である創傷性心外膜炎と細菌性心内膜炎

牛の弁膜疾患の症状は?

一般的に牛の弁膜疾患で起こり得る症状としては心内雑音になります。これはどの弁膜が障害されているかによって異なるため、それぞれを解説していきます。

僧帽弁閉鎖不全の症状

牛の僧帽弁閉鎖不全では左心室から左心房への血液の逆流が見られます。これにより左心房への容量・圧負荷が起こり、肺循環はうっ血してしまいます。初期は収縮期雑音が認められる程度でほとんど無症状になります。

病態は進行性で進行すると右心系不全が起こり症状として頸動脈の怒張、胸垂や下腹部の冷性浮腫が認められます。

三尖弁閉鎖不全の症状

牛の三尖弁閉鎖不全では心臓が収縮するときに右心室から右心房への血液の逆流が認められます。

三尖弁閉鎖不全もうっ血性の右心系不全が起こり頸動脈拍動、腹水・胸水、冷性浮腫が認められます。

大動脈弁閉鎖不全の症状

牛の大動脈弁閉鎖不全では大動脈へ駆出された血液が圧勾配に従って拡張初期から左心室へ逆流してしまいます。左心室、左心房共に容量と圧負荷を受けて拡張します。

この場合の症状は大動脈からの血液が全身に行き渡らないことによる酸素不足、元気消失が認められます。聴診で聞くことができる心雑音としては拡張性の灌流性心雑音が特徴的です。

肺動脈弁閉鎖不全の症状

牛の肺動脈弁閉鎖不全では右心室から肺動脈へ駆出された血液が右心室へ逆流してきてしまいます。

肺動脈圧の上昇に伴い圧負荷を右心房が受けることで静脈の流れがせき止められてしまいうっ血性心不全が起こります。聴診では拡張期雑音が聴取できます。

うっ血性心不全によって生じる心筋炎についてはこちらの記事をチェック

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牛で弁膜疾患が起こったときの対応は?

牛では弁膜疾患の診断がついた時点で治療の対象になることはほとんどないですね。延命目的の症状に対する治療はあるが寛解することは難しい。

診断方法は?

そのような牛の弁膜疾患の診断をつけるために超音波検査を用いて心房や心室壁の厚さや動きをチェックするのと同時に心臓の内宮の血液の容量を計測することで現状を確認します。

パルスドップラーやカラードップラーなどを用いて逆流する血液を確認することで確定診断となります。

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