ビタミンA は視覚色素ロドプシンの再合成、皮膚と粘膜の上皮組織、生殖腺などの機能維持を行なっています。症状は眼、神経、皮膚、骨、泌尿器、繁殖障害など様々です。診断は牛では視神経円板のうっ血乳頭の発見、夜盲症の検査などになります。
Contents
牛のビタミンA欠乏症の原因・症状・診断
牛におけるビタミンAの役割
ビタミンAは視覚色素ロドプシンの再合成、骨の正常な発育、皮膚と粘膜の上皮組織、生殖腺などの機能維持を行なっています。
動物性飼料に多く含まれています。リンパ系より血中に移行し、多くが肝臓に蓄積します。
牛ではβカロチンのままでの吸収が可能です。
牛のビタミンA欠乏症
原因
牛の飼料中のカロチン、ビタミンAの不足や吸収の阻害、人工乳・代用乳の給与、妊娠末期や高泌乳期のシーズン、肝蛭症、肝機能減退、甲状腺機能低下症などが原因として考えられます。
症状
眼の症状
夜盲症(暗くなってきて視力が減退すること)、瞳孔の散大、対光反射の消失、眼球の突出、流涙、角膜の角化・混濁・潰瘍、子牛では角膜の肥厚と混濁が認められます。
神経の症状
馬以外では末梢神経の損傷による骨格筋の麻痺、頭蓋内圧の上昇による脳疾患、視神経管狭窄による盲目症
皮膚の症状
痂皮の沈着が牛では認められます。
泌尿器の症状
尿細管上皮細胞の角化と脱落に伴う尿石症、尿路感染、全身性浮腫、関節水腫性変化などが認められます。
繁殖障害
オスでは造精昨日の低下、交尾の欲求の減退、メスでは受胎しにくくなり卵巣嚢腫、胎盤停滞が認められることがあります。
骨の発育障害
軟骨性骨化不全による骨の発育障害、骨粗鬆症などが認められます。
診断
牛などの反芻動物では視神経円板のうっ血乳頭の発見、夜盲症の検査などで診断を行います。血漿中の値は肝臓で枯渇するまで認められないので期待ができません。

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